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フィギュアスケートについて適当に語ってます。


by WhiteButterfly189

世界選手権2012男子FS感想

先に男子FSだけ書きます。女子もオンリザ観戦していたので結果は知っているのですが、演技放送後に感想を書こうと思います。そして最初に。チャン選手、高橋選手、羽生選手、それぞれメダル獲得本当におめでとう!!そして、ペアの高橋&トラン組銅メダル、本当に本当におめでとう!!

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今大会はねぇ、もうどう見ても羽生選手がMVPですよ本当に。演技そのものがすごかったというのは勿論ですし、演技そのものが素晴らしい選手は他にも一杯いました。高橋選手とかジュベール選手とかは特にそう。でもそれ以上に、そこまでは若干昨日までの自爆大会の様相を引きずっていたにも関わらず、空気を一変させて最終グループに緊張感を与えて神演技大会にしてくれたという…大会の流れそのものを変えてくれたという意味で、羽生選手の演技はものすごく大きな影響を与えてくれたと思うのですよ。

それにしても羽生選手、前半の飛ばしが効いていたのか、スローパートに入ったあたりで結構肩で息していたように見えました。疲れてきちゃったのかなーと思った矢先にLzの着氷でこらえ(あれによくタノ2Tつけましたよ、ほんと)、サーキュラーの辺りで本格的にヤバそうだと心配していたらまさかの転倒。もう、本当に大丈夫か心臓バクバクでした。だって、あのあとは3Aからの3連続ジャンプという、プログラム中でも最も大きな得点源のジャンプなのですから、助走が足りなくなるんじゃないかって心底心配していたんです。

でも、3A+3Aのシーケンスが跳べる羽生選手はそんなの全く平気だったんですね。見事な3A-3Tでした。しかもまた、転倒後の観客の拍手がとても暖かかったです。まさしく「会場の気持ちが一つになった瞬間」というやつですよね。正直、この転倒後の素晴らしい立て直しは、苦難の道を乗り越えるロミオを表現する演技の一環にさえ見えました。会場の観客の皆さんの多くもそう思ったのではないでしょうか。このあとの会場の盛り上がり方、羽生選手は非常に鮮烈な印象を残していったと思います。

そこからはもう、言うまでもないですよね。コリオステップに入る瞬間の鬼気迫る表情、もう何と言うべきか分からないくらいです。後半はどう見ても上半身の動きにキレがなくなってきていましたが、スピードの低下はあまりなかったように思います。スケーティングがまた一段と良くなったんだなぁと思わされました。そして最後の有言実行3S。最後のスピンだけ取りこぼしていましたが、あれだけの演技の中だったら、それは些細な問題に過ぎないでしょう。PCSも凄く出ましたが、あれは会場の空気というか羽生選手の鬼気迫る演技に引きずられるように出たのではと勝手に想像しています笑

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このあとの滑走だったコンテスティ選手、やりにくかったと思います。でも、流石ベテラン&FS番長なだけあって、落ち着いた、それでいてコミカルな演技を見せてくれて嬉しかったです。ジャンプ構成が弱い分(4Tがなく、2回飛んでいるのが3Aと3T)、点が振るわなかったのは仕方ないですかね。そういえばアボット選手とコンテスティ選手、FSが全くの同点でした。こんな偶然もあるんですね。


話を出したついでにアボット選手について触れますけど…もう、よくこらえてくれましたよ全部。今までだったらどうしようにもなく崩れてしまっていたのでしょうが、何とか全て転倒せず、紙一重のところで持ちこたえていてくれた姿に感動しました。着氷の乱れが多かったせいで、全米の時のような、水面を飛び回る鳥のような軽やかなスピード感はありませんでしたが、芸術作品としての美しさは十分に伝わってきました。
以下はファン目線でのひいき目が入りまくっていることをご承知の上で読んでいただきたいのですが、演技自体にミスが多くても比較的高めのPCSが出るというのはどういうことなのか、アボット選手のFSを見ていると何となく分かるものがある気がしてきました。どんなことがあってもプログラムの良さを最大限に伝えようとしてくれるってことが重要なのかもしれませんね。思うような演技が出来なかったことも多いプログラムでしょうが、それでも静謐な世界観を、アボット選手にしかみせられない世界を、この大舞台で見せてくれたこと、いちファンとしてお礼が言いたいです。本当にありがとう。私にとってはアボット選手が最高のスケーターです。

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最終グループは、フェルナンデス選手とブレジナ選手が残念でしたね。地元ヨーロッパ開催な分、いい演技してほしかったなぁと思います。ブレジナ選手さ、4位の呪縛からは逃れられたけど、こんな形での逃れ方は誰も望んでいなかったのよ!!涙 あとアモディオ選手は完璧にあの謎編曲だけで頭がいっぱいでした苦笑 いい演技だったんですけどね、どうしてああもつながらない編曲なのか、謎ですわ。


ジュベール選手は…正直こりゃブーイング出てもしょうがないと思いましたはい。マトリックスはジュベール選手、かなり多用している曲ですが、それだけにこの曲でいい演技してくれると嬉しいんです。ああ、ジュベール選手らしいなと思えて。
最初にリザルト見たときは目を疑いましたよ。4T+3A×2でミスらしいミスもなかったのにTESが80いっていないってどういうこと!?とね(PCSは80超えていたし、決して下げられてはいなかったと思いますよ)。冷静に考えると理由は分かるのですが。ジュベール選手、3Aは2回とも前半に持ってきていた上に、2回跳んでいるのが3Aと3Sなんですよね。3Lzを2回跳んでいた選手より基礎点的に不利になるわけですし、それにスピンのレベル取りこぼしがねぇ…つくづくジュベール選手のようなジャンプの迫力で勝負するタイプの選手には不利な時代になってしまったんだなぁと思い、寂しくなりました。


そして高橋選手。この日一番会場を味方にしたのが羽生選手なら、この日一番会場を魅了したのが高橋選手だと言っても過言ではないと思います。それほど素晴らしい演技でした。もう細かい理屈抜きにかっこいいです。同じ演技時間のはずなのに、ほかの選手の半分くらいの時間にしか感じないくらいひきこまれます。曲に助けられることなく魅せきったなぁと思いました。シーズン初めのころ、このプログラムの良さが分からなかった私の目は本当に節穴でした。心底申し訳ないですもっと見る目を養います。正直、もう少し点でると思ったんですけどねぇ。どうして3FがURだったのか謎です(もしUR取られるなら3A-3Tのセカンド3Tと思っていました)。


チャン選手はねぇ…あれだけ神演技が続いたのだから、現世界王者としてしっかり締めくくれる演技をお願いしたかったところですが、最後の最後でずっこけました苦笑 もちろん、跳ぼうとしたのは2Aでしょうし、だから、それが1つ跳べなかったところで大勢に影響はないということは理解しているんですけどね。得点以上に「しまらなさ」が印象に残ってしまってもったいなかったです。
あのアランフェス、決して悪いプログラムではないと思うんです。ちゃんと動きを音にはめてやればもっと渋い無骨さを表現できる振付はあります(偶然なのかもしれませんが、一部音にはまっていたJOの演技は、表現面でもいいプロだと真剣に思っていました)。ただ、チャン選手自身がインタビューで言っている通り、振付をものにするのが苦手なのがたたってしまっているのでしょうね。特に、高橋選手、羽生選手、ジュベール選手、アモディオ選手と、4人のFSは本当にそれぞれの個性に溢れたパフォーマンス、表現が十分に感じ取れましたから、チャン選手がアランフェスを「ものにできない」のが余計に悪目立ちしてしまった感がぬぐえません。
スケーティングは、SPよりも良くなっていたと思います。本当にSPは本人比では全然滑っていなくてどうしたのかと思ったくらいでしたけど。



そのほか雑感。

小塚選手は、最後まで力を出し切れなかったなぁ…と思いました。公式練習動画で見たナウシカの流し練習ですが、これが全日本までとは別のプログラムなのかと思うくらい動きが柔らかく、美しくなっていたので、それを本番で出してくれることを期待していたんです。
確かに世界観自体は伝わってきますし、最低限のミスで抑えきったとは思うのですが、「公式練習のはもっとすごかったのに!!」という印象がぬぐえませんでした。返す返すもSPでのミスが悔やまれます…

レイノルズ選手。
やってくれましたね後半4T-2T!!!!!!!!!!序盤に予定していた4Tが抜けた時点で、リカバリに専念してくるだろうと予測はしていましたけど、後半クワドとか聞いてませんから!!!!!!!!本当に男前ですわ~カナダ3枠確保おめでとう!!!!!!!これはチャン選手以上にあなたの健闘の結果ですよ、本当におめでとう!!


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ということで、男子FSの感想はここでしめます!!!!女子も地上波後に感想記事上げますのでよろしくお願いします。
by WhiteButterfly189 | 2012-04-01 17:27 | フィギュアスケート感想(男子)