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フィギュアスケートについて適当に語ってます。


by WhiteButterfly189

改めてソルトレイク五輪のペアを見てみる―そもそも新採点システムに変える必要はあったのか?

そもそも新採点法が導入されたきっかけは、ソルトレイクシティでのペアの採点が問題になったためでした。具体的な経緯は最近知ったのですが、まあ私の説明よりはwikipediaの話の方が分かりやすいと思うので、記事の一部を引用します。

wikipedia ソルトレイクシティオリンピックにおけるフィギュアスケート・スキャンダル↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%AB

問題の発端は、2002年2月11日に行われたペア競技のフリースケーティングである。ショートプログラムを1位で通過したロシア代表のエレーナ・ベレズナヤ&アントン・シハルリドゼ組は、フリースケーティングにおいて男性が1回だけジャンプ着氷時にステッピングアウトを犯してしまう。一方、続いて滑ったカナダ代表のジェイミー・サレー&デヴィッド・ペルティエ組はノーミスで演技を終えた。演技終了後カナダ組には大歓声が注がれ、会場もカナダ組も優勝を確信した。しかし採点では9人のジャッジのうち5人がロシア組に1位を付け、カナダ組は銀メダルとなった(ロシア、中国、ウクライナ、ポーランド、フランスがロシア優位の判定で、アメリカ、カナダ、日本、ドイツがカナダ優位の判定)。

当初カナダ組はこの結果を受け入れていたが、アメリカとカナダのマスコミは、ノーミスであったカナダ組が着氷ミスをしたロシア組に負けるのは不当判定であるとして大騒ぎを始めた(他国のメディアはこの騒ぎを客観的に報道するのみであった)。フリースケーティングの翌日である2月12日に開かれたISUの技術委員会においてフランスのジャッジであったマリー・レイヌ・ルグーニュが、「フランスの連盟会長から、アイスダンスのマリナ・アニシナ&グウェンダル・ペーゼラ組をイリーナ・ロバチェワ&イリヤ・アベルブフ組に勝たせるという交換条件に、ペアではロシア組を勝たせてくれと言われた」と証言して騒ぎは拡大した。結局ルグーニュは後に署名入りの文書において「圧力は存在せず、自分はロシア組の優勝を確信している」と表明したが、アメリカ・カナダ両国民や両国マスメディアはこの結論に納得せず、騒ぎ続けた。

2月15日、この騒ぎを受けてISUのオッタビオ・チンクアンタ会長は独自の行動を表明。「フランスの審判員に不適切な行為があった」という理由を示してフランスの審判員の判定を削除し、1位をつけたジャッジの数を4対4の同数に変更してカナダ組にも金メダルを授与した。

この問題に関してISUはマリー・レーヌ・ルグーニュとフランス連盟会長に3年間の国際試合出入り禁止及びトリノオリンピック出入り禁止を決定して全ての調査を終えた。




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ということで、改めてこの二組の演技を見てみました。

まずは、ロシアペア。エレーナ・ベレズナヤ.アントン・シハルリドゼ組です。
SP

FS


次に、カナダペア。ジェイミー・サレー.デヴィッド・ペルティエ組です。
SP

FS


確かに、ロシアペアのFSの1分34秒付近でシハルリドゼ選手がステップアウトしています。でも、まぁ、ミスはそれだけですよね。で、確かにカナダペアは、FSではノーミスでした。

私はペアの技術とか何にも分からないので、どちらの組の方が難しいことをやっているのかはよく分かりませんし、この採点の是非について論じる気は毛頭ありません。

ただ、このときカナダペア、SPのラストポーズで転倒しているんですよね。でも、このときSP3位だった申雪・趙宏博ペア(中国)にあったミスは(多分ですが)二人が隣り合ってやるスピンで、趙選手が多く回りすぎたことくらい。もし、カナダペア擁護に「ノーミスのペアがジャンプの着氷にミスがあったペアに勝てないのはおかしい」という論法を使うなら、中国ペアの擁護に「スピンの回る回数がずれたくらいで転倒したペアにSPで勝てないのはおかしい」という論法もありになってしまうのではないかな、と思います。私が知らないだけで、中下位の選手の間でそういう逆転現象はもっと沢山あるのではないでしょうか。これは私の推測ですけど。

ついでに、プログラムそのものはどちらのペアの方が好みか、と言われたら、私は断然ロシアペアの方が好きです。すごく動きが優雅だと思います。

↓申雪・趙宏博ペア ソルトレイクシティSP


どちらにせよ、私の感想は「この程度のことで採点不正疑惑が出るんだ…」というものでした。


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だって、今はSP, FSあわせて4回転倒した選手が、1回しか転倒していない選手に勝てるんですよ?

ジャンプで1回転倒、1回すっぽ抜けてまるっきりノーカウントになってしまった選手が、高難度演技構成をほぼノーミスで滑りきった選手に勝てるんですよ?

旧採点法の頃にこういう事態が起きたとしたら、ソルトレイクシティのスキャンダルの何十倍の大騒ぎが起きてもいいはずだと思うんですけどね。

でも、今はプロトコルが公開されている。

よくよく見てみると、色々おかしいことが分かりますが、それでも、一応ジャッジの脳内思考回路と言いますか、後付の理屈と言いますか、とにかくその採点の根拠はあります。

しかも、ジャッジの匿名性により、どのジャッジがどういう点数をつけているのかほぼ全く分からなくなりました。

これでは、不正を証明することなどほぼ不可能だと思います。


しかし、色々採点で不利益を受けている可能性の高い国が、メディアを使って採点の不備を糾弾することもない。





何のための新採点方式だったんでしょうね。

本当に不正があったなら、不正防止策を改めて考えればよかっただけ。わざわざ採点システムまで変える必要があったとは思えません。

なんだか、見ていてむなしくなってきます。





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by WhiteButterfly189 | 2011-01-12 23:31 | フィギュアスケート採点